· 

第2回 アトピー性皮膚炎が薬で治らない理由 その1

アトピー性皮膚炎の治療薬は

新しい薬も多くできていますが、

その主役はステロイドの塗り薬

です。

 

巷の皮膚科の先生方は、

ステロイドの塗り薬を使います

(当方も普通に使います)。

 

ステロイドの塗り薬は炎症を

改善させる作用があります。

 

何をどれ位塗るのかが上手く行くと、

無茶苦茶治ります。

 

また最近はプロアクティブ療法

というのが出て来て、

週に2日位塗るというやり方が

流行っています。

 

プロアクティブ療法やっていない

患者さんは毎日塗っています。

 

つまり間隔のピンキリはあれど、

定期的に塗っています。

 

という事は皮膚の炎症は

収まっていても、

炎症の原因は片付いていない

という事になります。

 

ではこの「炎症の原因は何か?」は、

過剰な活性酸素と言われています。

 

過剰な活性酸素だけで炎症の原因が

説明できるわけではありませんが、

その影響はあります。

Antioxidants (Basel) 2020 Feb 26-9;9(3):196.

Oxidative Stress and Atopic Dermatitis

 

活性酸素が過剰になる原因は様々です。

・ストレス

・疲れ

・夜更かし

・食事、嗜好品 (飲酒、喫煙)

・感染症

・化学物質

・内臓障害

 

ですので過剰な活性酸素の問題を

解決する事で、アトピー性皮膚炎の

病状を改善する事が見込まれます。

 

活性酸素を除去するのに頻用するのが

ビタミンC

です。

 

ビタミンC 自体が持っている還元作用で、

活性酸素が消去され、その結果として

アトピー性皮膚炎の改善が見込まれます。

 

他にも活性酸素を

消去する方法は

いくらでもあるのですが、

なぜビタミンC なのか?というと、

人間は自力でビタミンCを

作ることができないからです。

 

実は他の動物のほとんどは

自力でビタミンCを作ることができます。

 

15世紀の中世ヨーロッパでの

大航海時代に船員が謎の病気で

死んでいった事がありました。

 

それに対してオレンジ等の

柑橘類を食べさせたら防ぐ事が

できたという話が残っています。

 

これはビタミンC 不足での

壊血病でした。

 

体内で慢性炎症があると、

ビタミンCは枯渇していることがあります。

 

確かに他の抗酸化物質や水素で

活性酸素を消去して

炎症を改善させる事もやりますが、

ビタミンC は神経伝達物質や

コラーゲンの材料にもなります。

 

コラーゲンが少なくなると、

皮膚が薄くなってかゆみの原因に

なる可能性があります。

 

かゆくて引っ掻いてしまうと

アトピー性皮膚炎が悪くなりますので、

ビタミンCの補充は最優先と考えます。

 

常習的な飲酒や喫煙でも

ビタミンCは大量に消費されます。

 

コラーゲンの材料になるという事は

皮膚の材料でもありますので、

足りないと治らない手湿疹/手荒れの

原因にもなりえます。

 

当院の患者さんでもお酒が好きな方は

ビタミンCの補充で手荒れが治っています。

 

慢性皮膚病 (アトピー性皮膚炎/手荒れ)の

患者さんへ

 

柑橘類食べていますか?

タバコとお酒減らしてみませんか?

 

当院体質改善外来では

体内のビタミンCの

血液検査も行っています。

 

禁煙希望者は

禁煙治療 (イライラ対策) も

同時に行います。

 

しっかり治したいなら、

自費体質改善外来の受診を

お勧めします。